オーストラリアのウイスキーって飲んだことありますか?
ワイン業界では最近「ニューワルド(新世界)」という言葉が注目されています。
これは伝統的な産地であるフランスやイタリアとは対照的に、最新の技術によって作られる革新的なワインの産地を指します。チリやアルゼンチン、アメリカなどが代表的です。
このようなワインの流行と同様に、ウイスキーの業界でも伝統的な産地である「イギリス・スコットランド・アイルランド・日本・アメリカ」とは違った地域でもウイスキーが作られるようになりました。台湾やインド、オーストラリアなどが代表的です。
今回はその中でも、オーストラリアのウイスキーについて紹介します。
オーストラリアのウイスキーとは?
オーストラリアにおけるウイスキーの定義は、他の国ほど明確ではありません。
簡単に説明すると、穀物を原料とし、香りや味、見た目がウイスキーのようで、樽で2年以上熟成された蒸留酒のことを指します。
またオーストラリアのウイスキーは、アルコール度数が37度まで低くても法律上はウイスキーとして認められます(アメリカとイギリスではアルコール度数が最低でも40%ないとウイスキーとして認められない)。
こうした緩やかな規制のおかげで、地域によっては「革新的」なウイスキーが登場しています。
どのような種類がある?
現在、オーストラリア産ウイスキーの大部分は、スコッチと同様の方法で製造され、シェリーやポート、バーボン樽などで熟成されています。
ですが、上記したようにオーストラリアのウイスキーに関する法規制はかなり緩いため、ほとんどすべてのスタイルのウイスキーを造ることができます。
しかし、実際に市販されている製品のほとんどはシングルモルトです。
それは現在オーストラリアでウイスキーを生産している蒸留所がそれほど多くないのに加えて、まだ大きい蒸留所も存在していないため、ブレンデッドウイスキー用に作られるグレーンウイスキーがほとんど存在しないからです。
一方で、シングルモルトが多いオーストラリアのウイスキーは、生産した蒸留所の環境と生産時の熟成方法が顕著に現れるので、飲み比べて自分の好みの蒸留所を探すのは、ウイスキー好きにはたまらないと思います!
おすすめのオーストラリア産ウイスキー
オーストラリアの近代的な蒸溜所はすべて1992年以降に設立され、最も著名な蒸留所はビクトリア州南岸にある美しいタスマニア島にあります。
タスマニアの「サリヴァンズ・コーヴ」と「ラーク」、そして西オーストラリア州の「ライムバーナーズ」は、ウイスキー評論家のジム・マーレーに、2015年ウイスキー・バイブルで「リキッド・ゴールド」の称号を与えられました。
また他にも注目されているオーストラリアの蒸留所は多い。
その中でも今回は、日本で購入できるオーストラリア産のウイスキーを紹介します。
サリヴァンズ・コーヴ ダブルカスク タスマニアン・シングルモルト
サリヴァンズ・コーヴ ダブルカスク タスマニアン・シングルモルト
アメリカのバーボン樽とフランスの白ワインを貯蔵していた樽で熟成されたダブルカスクウイスキー。バニラやスパイス、オレンジの皮、バナナチップなどの非常に複雑で豊かな香りがします。ブランデーチェリーのような風味で、余韻が長く、オークの香りと煮詰めた果実のフルボディのような香りが続く。
ラーク カスクストレングス シングルモルト ウイスキー
強烈なバニラとシトラスとバタースコッチのような味わいで、煮詰めたフルーツ、メープルシロップ、タスマニアのピートのスモークがほのかに香ります。余韻は、柑橘類やスパイスの香りが広がり、最後の一口を飲み干した後も温かみのある余韻が長く続きます。
ライムバーナーズ アメリカンオーク シングルモルトウイスキー
ライムバーナーズ アメリカンオーク シングルモルトウイスキー
アメリカのバーボン樽で熟成されたライムバーナーズ・アメリカンオークは、優しい柑橘類と蜂蜜のアロマ、前面に出たスパイス、そしてバニラの香りが特徴的です。
このバランスのとれたシングルモルトは、オーストラリアのウイスキーを代表する一品で、究極のデイリーウイスキーです。
スターワード ノヴァ
オーストラリアで作られたシラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノを貯蔵していた樽で熟成されたウイスキー。
ドライフルーツとトロピカルフルーツの素晴らしい組み合わせに、複雑なワインの香りとスパイシーで甘い香りがする。赤い果実や赤ワインを感じさせる味わい。余韻は樽の香りが漂うが、香ばしくドライなフィニッシュ。
スターワード アンエクスピーテッド アイラカスク フィニッシュ
スターワード アンエクスピーテッド アイラカスク フィニッシュ
オーストラリア産シングルモルトを赤ワイン樽で熟成させた後、スーパーピーテッドアイラウイスキー樽で仕上げたウイスキー。アイラ島の伝統と最高級のオーストラリアンウイスキーが融合した。
トロピカルフルーツ、トーストしたオーク、甘いピートが香り、熟したレッドベリー、海塩の塩味、熟した果樹園のフルーツ、ココアのような味わいが特徴。
余韻はトーストしたオークとピートスモークが続く。
オールドケンプトン ピノカスク
オールドケンプトン蒸留所(旧レッドランズ蒸留所)は、原料を生育から、最終ボトリングまので工程を蒸溜所の敷地内で全て行うパドック・トゥ・ボトルを採用。
ピノノワールを熟成した樽に3年間熟成したウイスキー。
華やかな香りに、ぶどう由来の甘く芳醇な深みが特徴的。
ベルグローブ ライ ウイスキー カスクストレングス
明るいゴールドの外観。ディルやピクルスのような香りが特徴的。2口目からは、カモミールティー、オーク、ペパーミントの香りが広がります。カモミールティー、ディルやキャラウェイのようなミディアムドライのフレーバーが特徴的です。ドライでマイルドなタンニンの余韻。後味は繊細で最適な長さ。
ベルグローブ シングルモルト レムナント
マーマレード、キャラメリゼしたイチジク、ラズベリーのような香り。ピーチ、プラムジャム、オーストラリアのワインのような味わいが特徴的。
フレンチオークとアメリカンオークが、バニラビーンズとキャラメルの滑らかな余韻をもたらす。
ヘリヤーズロード ピノ・ノワール・フィニッシュ
アメリカンのバーボン樽で熟成させた後、高級フレンチ樽(受賞歴のある地元のワイナリーから調達したピノ・ノワール)でさらに6ヶ月間仕上げ、シングルモルト愛好家の心をくすぐる一品に仕上げています。
タスマニアの熱帯雨林と繊細なフレッシュベリーの果実が織りなす複雑な味わい。2015年グローバル・ウイスキー・マスター・ワールド・ベスト10・バリュー・ウイスキーに判定されました。
ブラックベリーの煮詰まったソースのような余韻が特徴的。
まとめ
オーストラリアのウイスキーはまだ日本ではあまり見かけませんが、ウイスキー業界では大注目されているウイスキー産地です。
技術の進歩によって伝統的な産地以外にさまざまな地域でウイスキーが作られるのは嬉しいですね。伝統に縛られない革新的なウイスキーが増えていくのも楽しみです。
生産した蒸留所の環境と生産時の熟成方法が顕著に現れるオーストラリアのウイスキーは、台湾やインドと同様に今後注目すべきウイスキー産地ですので、ぜひ現在日本で購入できるオーストラリア産のウイスキーを色々試してみてはいかがでしょうか。
またウイスキーの美味しい飲み方はこちらの記事も参考にしてみてね!