ラクってどんなお酒?その特徴とおすすめの飲み方

ラクはトルコを代表する伝統的な蒸留酒で、水や氷を加えると真っ白に濁ることから「ライオンのミルク」とも呼ばれます。アニスやフェンネルを原料にした甘くスパイシーな香りと、まろやかな口当たりが特徴。アルコール度数は40〜50度と高めですが、ストレートやロックはもちろん、水割りやソーダ割り、さらには各種カクテルのベースとしても重宝されます。

近年は日本でも専門バーや輸入ショップで見かける機会が増え、そのユニークなビジュアルと風味が注目を集めています。この記事では「ラクってどんなお酒?」という疑問に答えるべく、基礎知識から楽しみ方、入手方法、FAQまでをまとめたので、ぜひご一読ください。


ラクとは何か

ラクイエニ ラク

ラクはアニスシード(八角)やフェンネルなどの種子をアルコールに浸漬し、銅製ポットスチルで蒸留して作られるトルコの伝統蒸留酒です。蒸留後は透明な状態ですが、水や氷を加えると乳白色に変化する「ルメレ現象」が起こり、これが別名「ライオンのミルク」の由来となっています。

現地では食前酒として親しまれるほか、食中・食後の消化促進やリラックス効果を期待して飲まれてきました。最近では、世界各地のバーでカクテルベースにも多用され、その多彩な用途が魅力です。


ラクの歴史

トルコ

ラクの起源は16世紀のオスマン帝国時代に遡り、当初は薬用や消化促進を目的とした「医薬酒」として誕生しました。当時は王侯貴族や宮廷でのみ楽しまれていましたが、19世紀以降の蒸留技術の進歩と交易ルートの拡大に伴い、市民にも普及。

トルコ共和国成立後には国家的に伝統産業として保護され、イスタンブールやアンカラ周辺を中心に蒸留所が急増しました。現代では数十社がレシピや香味を競い合い、多様なスタイルのラクが楽しめるようになっています。


ラクの製法

蒸留

  1. マセレーション(浸漬)
    アニスシードやフェンネルの種子を、度数の高いエタノールに数日から数週間漬け込み、香り成分を抽出します。

  2. 蒸留
    抽出液を銅製ポットスチルでじっくり加熱。初めに出る「ヘッド」と最後の「テイル」を除き、中間の「ハート」と呼ばれる最も香り高い部分を取り出します。

  3. 加水・熟成
    蒸留液を水または氷水で希釈し、アルコール度数を調整。瓶詰め後に短期間だけ寝かせ、風味を落ち着かせる場合もあります。

製法の違いが、スモーキーさやアニス感の強弱、口当たりのまろやかさを左右し、各蒸留所の個性を作り上げています。


ラクの風味と特徴

ラキ

  • 香り:アニスの甘くスパイシーなフレーバーが主体。フェンネルやカルダモンのほのかなハーブ香も感じられる。

  • 味わい:苦みが少なく、後味にほのかな甘みとスパイシーさが残る。

  • 口当たり:高アルコール度数ながら、まろやかでやさしい舌ざわり。

  • ルメレ現象:水や氷を加えると一瞬で白濁し、視覚的にも楽しめる。


ラクと似た蒸留酒との比較

ラクはギリシャのウーゾ、フランスのパスティスと同じアニス系ですが、味と製法に微妙な違いがあります。ウーゾはクローブやシナモンも使うためより甘く、パスティスはリコリスの風味が強い傾向に。ラクはシンプルにアニスとフェンネルにフォーカスし、透明度の高いクリアな仕上がりが特徴です。


ラクの楽しみ方

イエニ ラク アラ

  • ストレート/ロック:香りと原味をダイレクトに体感。

  • ライオンのミルク(水割り):ラク:水=1:1~1:2。ゆっくり混ぜると乳白色に変化。

  • ソーダ割り:氷とソーダで割り、爽快感アップ。夏にぴったり。

  • カクテルベース:ラク・トニックやラク・モヒート風など、他のリキュールと合わせても◎。


よくある質問(FAQ)

Q1. ラクとウーゾの違いは?
A. ラクはトルコ製、ウーゾはギリシャ製。アニス以外の香料配合やアルコール度数に差があります。

Q2. 水割りのベストな割合は?
A. 水:ラク=1:1〜1:2が基本。変化を楽しむなら徐々に水を足してみてください。

Q3. 保存方法は?
A. 直射日光を避け、冷暗所で立てて保管。開栓後は風味が飛ばないようお早めにお楽しみください。

Q4. カクテル以外の活用法は?
A. バニラアイスやシャーベットに少量かけると、大人向けデザートになります。

Q5. 飲む際の注意点は?
A. 度数が高いため、食中や食後の一杯としてゆっくり味わうのがおすすめです。


まとめ

ラクイエニ ラク

ラクはトルコの伝統が詰まったアニス系蒸留酒で、その乳白色に変わる美しいビジュアルと多彩な楽しみ方が魅力です。ストレートでじっくり味わうもよし、水割りやソーダ割り、カクテルベースとしても活躍します。日本でも専門バーや輸入ショップで入手しやすくなっている今、ぜひ一度“ライオンのミルク”の世界に浸ってみてください。

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