最近はコンビニに行ったら、ビールの種類がたくさんありますよね。
でもどれがどんな味なのか、自分がどんなものを飲んでいるのか分からないまま、結局いつものビールを飲んでいる人も結構いるのではないでしょうか。
またドイツ料理屋さんとか、ビアバーに行っても全然違いが分からず、適当に注文している人も多いのではないでしょうか。
今回の記事を読めば、どんなにビールがたくさんあっても、なんとなく味の想像がつくようになり、自分好みのビールを買うことができます!
ビールは大きく2つの種類に分けることができます。
それが「ラガー」と「エール」です。
ビールを飲む人は一度は見たこと、聞いたことがある言葉なんではないでしょうか。
でもよく違いが分からなくて、今飲んでいるビールがどっちなのかも分からないという状況もあると思います。
まずはこれらの違いを知ってビールをもっと楽しみましょう!
実は日本で販売しているほとんどのビールがラガービール。その中でも「ピルスナー」というビアスタイルのものが大半を占めます。
サッポロビール、アサヒビール、キリン、サントリーなどが販売している主流ビールは全部ラガービールです。
なので「ビールの味といえば」で想像する味は、大半の人がラガービールに分類されるものなのだと思います。
「喉越しがよく、スッキリしていて、キリッとした苦味がある。」こんな感じではないでしょうか。
そうです、それがラガービールの味の特徴です。
そもそも、ラガービールの「ラガー」とは、ドイツ語で「貯蔵」という意味があり、ドイツで15世紀に生まれたといわれています。
それまでは、ビールの製造は一次発酵で終わり、販売されていました。しかしラガー(貯蔵庫)にビールを貯蔵すると味と保存性が良くなることがわかると、ラガーで二次発酵を行うようになったことから、「ラガービール」と呼ばれるようになりました。
ラガービールは低温で長期間発酵させる「下面発酵」という方法で作られます。
「下面発酵」はビールを7〜10日かけて5度前後の低温で発酵させる方法で、大量生産に向いているため、日本だけでなく世界中でも販売されているビールの大半がラガービールに当てはまります。
人間は知らず知らずのうちに、一番美味しい飲み方をしてしまっていたんですね……
ラガービールと一口にいっても、さまざまなビアスタイルが存在します。そのビアスタイルの名前が、ビール初心者の頭の中をごちゃごちゃにする原因の一つでしょう。
全ての種類を説明するのは難しので、今回はビールの色で「ピルスナー」「デュンケル」「シュバルツ」の3種類に分けて紹介したいと思います!
ピルスナーは「黄金色のビール」。キリンやアサヒビールを想像していただければ問題ありません。
1842年にチェコのピルゼンで誕生したビアスタイルで、アルコール度数は4〜5度のものが多く、スッキリとした味わいとキリッとした苦味が特徴で日本人にとっては一番馴染みのある味。
また、ピルスナーはチェコの「ボヘミアン・ピルスナー」とドイツの「ジャーマン・ピルスナー」の2つに大きく分けられる。
ジャーマン・ピルスナーはボヘミアン・ピルスナーと比べると、色は淡色で、苦味がやや強い。ホップの香りもやや強くてスッキリとした味わい。
おすすめピルスナー
「ピルスナーの元祖」といわれるビール。1842年にチェコのピルゼンで生まれたビアスタイルで、ボヘミアン・ピルスナーに当てはまる。アサヒビールが2022年に通年販売を開始し、比較的手に入りやすくなったので、ピルスナーの元祖を一度試してみては。
王室御用達のジャーマン・ピルスナー。ドイツのザクセン州・ラーデベルグで生まれたこのビールは、本場ドイツでは国民の顧客満足度No.1を獲得している。最大の特徴は心地よい独特の苦味で、苦味を表すIBUは331(スーパードライがIBU161、ヱビス251IBU)。しっかりとした苦味が好きな方におすすめのビール。
デュンケルは「茶褐色のビール」でドイツ語で「暗い」という意味。黒というよりは焦茶色の方が近い色をしているので、「ダークビール」と呼ばれることもある。
味の特徴は、口当たりが良くて、マイルド。モルトのフレーバーをしっかりと感じることができる。ビールの苦味やホップの香りが少し苦手な人におすすめ。
おすすめデュンケル
このビールは岡山県岡山市にある、宮下酒造の生酵母入りデュンケル。この酒造は全国酒類コンクール地ビール部門で6年連続1位を取り続けている。苦味は穏やかだが、味は濃厚なビール。甘くて香ばしい麦芽香りが余韻として残るのが特徴。
岡山に訪れた際に、このビールの存在を知らずに、生酵母の文言に惹かれて購入した。その夜飲んで驚愕。美味しすぎて箸が10秒ほど止まったのを覚えている。
ドイツ発祥の「黒色のビール」。ドイツ語で「黒」を意味する。
下面発酵酵母によって発酵されているため、モルトのロースト感や、ほのかな甘みと、シャープでクリアな味わいを同時に楽しむことができる。
ビターチョコやコーヒーのような香ばしさがあり、黒ビールに苦手意識を持っている人にこそ飲んでほしい。
おすすめシュバルツ
岩手県の盛岡市に醸造所を置くベアレンビール。「世界に伝えたい日本のクラフトビール」最高賞に輝いた。その中でもシュバルツは、黒ビールらしいロースト麦芽の芳ばしさがある一方で、ホップの苦味は控えめでまろやか。またラガーなのでスッキリとしていて軽やかでもある。
最近コンビニでも増えてきたのがエールビール。一見変わった見た目で、おしゃれなパッケージのビールがあるなと思ったら、エールビールである可能性が高いです!
エールビールは、喉越しやキリッとした味わいを楽しむラガービールと違って、ホップの香りや個性的な風味を楽しむビール。
食事と一緒に楽しむビールというよりは、ビール単体で楽しむことができる。
エールはイギリスで生まれた。もともとイギリスでは中世以前からビールとエールがありました。それらの違いはビールがホップを使ったもので、エールはホップを使わないものというものだった。
しかし今ではエールビールにもホップは含まれている。これは1697年にイギリスでビール麦芽への課税がはじまり、麦芽の量を減らす代わりにホップの量を増やす必要があったためである。
エールビールは高温で短期間発酵させる「上面発酵」という方法で作られます。
「上面発酵」はビールを20度前後の高温で発酵させる方法で、大量生産には向いていないが、ワインのように香りと味わいの個性が顕著に現れるビールを作るのに向いている。
エールもラガー同様にビールの色で分けると、「ペールエール」「アンバーエール」「スタウト」の3つに分けられます。
もちろんエールビールも3つ以外にも何十種類とビアスタイルがあるので、自分にあったビアスタイルを探すのも楽しいですよ!
アンバーエールも読んで字の如く、「琥珀色」のビール。アメリカ生まれのビアスタイルで、アメリカ産のホップを使っている。
フルーティな香りが弱めな一方で、ホップの強い香りと苦味が特徴で、ちょっと焦がしたカラメルのような芳ばしい香りがする。
おすすめアンバーエール
茨城県那珂市にある、日本酒の蔵元「木内酒造」が製造・販売するクラフトビール。その中でもアンバーエールは、高温で焙煎したモルトの芳醇な味わいと、ホップの苦味と華やかな香りを融合させた赤褐色のエールビール。